映画「湯の里ひじおり 学校のある最後の1年」に寄せて
少子化で仕方がない事だと思っても納得がいきません。どうにも、やるせない気持ちです。
昨年の春に閉校式実行委員会が組織された時はじめて、「あと1年で終りなのだ」という思いが込み上げてきました。そして、この映画で肘折の学校最後の1年を撮っていただくことに、大変な期待と不安の入り混じった気持ちで協力してきました。
そんな意味で映画の上映に大いに期待をしています。
「へえ、肘折温泉に学校があったんだ…」
温泉地=観光地=遊びに行くところ。
都市の雑踏に生きる人間の浅薄な頭ではそんなイメージしか出てこない。学校があり、子どもたちが通い、人々の暮らしがある。その暮らしは観光で訪れる人間には見えてこない。
湯治場の人々の暮らしと、湯治客の暮らしが折り重なって、観光地にはない、肘折温泉独特の匂いが醸し出されてくる。この匂いが湯治客の心をなぐさめ、肘折で育った若者たちに「いつかは帰ってきたい」と思わせるのだろう。
「あぁ、肘折で1週間ぐらい湯治したいな」
そんな思いにさせる映画である。
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地域のやさしさの陰に この国のあり方が見える
消え行く学校を様々な形で見送る人への悲しみが、表情や行動にありありとうかがわれて、感動的な作品である。
百三十四年にわたり人間が生きることにおいて貴い役割をになってきた地域の学校を、いくら財政が厳しいからといって廃校にしてしまうこの国は、どうしてこんなにすべてが貧しくなってしまったのだろうと、心が寒くなってくる。
この作品に登場する人々は、そんな現実にめげないで明るく、心やさしい人ばかりである。この作品は、片隅の里を素材にしながら、この国の全体を描いた、まことに普遍的で大きなスケールを持っている。
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この間、映画は肘折小中学校の幕引きとなる3月21日の閉校式の撮影を終え、それから現像所へと原版を納品する24日までのあいだ、ほぼ不眠不休の最終作業を行っていました。先日無事に現像からあがったフィルムの試写を終え、スタッフ一同ようやく一息ついたところです。この間の経緯は後日ご報告いたします!
さて、直前の告知になりますが、山形県地方の皆様にお知らせです!
本日4月3日午後18:10から放送のNHK山形放送局「やまがたニュースアイ」に渡辺監督が生出演する予定です。
渡辺監督が、映画制作の経緯や、この映画にかける思いをあつく語ります。
また先日の閉校式での撮影の様子なども放映される予定です。1分間程度の予告映像も放映されますので、どうぞご覧ください!
以下放送予定です。
やまがたニュースアイ
チャンネル :総合/デジタル総合 放送日 :2009年 4月 3日(金) 放送時間 :午後6:10~午後6:52(42分) ジャンル :ニュース/報道>定時・総合 ▽134年の歴史に幕を閉じた肘折小中学校の最後の1年を記録したドキュメンタリー映画「湯の里ひじおり」監督の思いを聞く▽北朝鮮長距離弾道ミサイル県内への影響
渡辺監督の出番は、番組中9分程度の出演となるそうです。
ニュース等の影響によっては、番組内容に変更がでる可能性もあるそうですので、その際はご了承ください。
以上、速報でした!
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先日のブラスバンド撮影の様子などが紹介されています。
このところ立て続けに『湯の里ひじおり』が新聞紙上にて取り上げられています。映画の制作も3月末日の完成目指して、スタッフ一同いよいよラストスパートにはいっています!
【掲載元】読売新聞 地域・山形
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20090225-OYT8T01114.htm
閉校前の1年間を映画に大蔵・肘折小中 地域の魅力も撮影
3月で閉校する大蔵村立肘折小中学校(同村南山)の最後の1年間を記録した映画の撮影が、大詰めを迎えている。東北芸術工科大を2003年に卒業した渡辺智史さん(27)が監督を務め、同月21日の閉校式で撮影を終える。渡辺さんらは、過疎化を象徴する「閉校」に対する地域住民の反応などを描きながら「地元、肘折温泉の魅力を伝え、地域を励ます内容にしたい」と意気込んでいる。
タイトルは「湯の里ひじおり―学校のある最後の1年」。鶴岡市出身の渡辺さんは同大卒業後、映像制作会社「アムール」(さいたま市)に入社し、合唱に取り組む障害者をテーマにしたドキュメンタリー映画を監督。08年3月からフリーになり、同社と共同で今回の映画制作に取り組んでいる。
肘折温泉にこのたび「湯治文化研究所」が開設されることになりました!
当会の代表も務める東北芸術工科大学大学院長で民俗学者の赤坂憲雄さんが所長に就任されます。
肘折の湯治文化を歴史的・民俗的に調査分析すると同時に、芸工大と肘折温泉が共同して行っているアートプロジェクトとも連携しながら、新しい湯治文化をつくりだす試みです。
明日28日には、肘折いでゆ館にて開設式と記念シンポジウムが催されます。温泉や観光の専門家たちが集まって「湯治」について熱く語ります。
また当日には、当会〈映画『湯の里ひじおり―学校のある最後の1年』を支援する会〉の結成と、映画の短い予告編の上映も行われる予定です。会場にてチラシの配布も行われると思います。どうぞ足をお運びください。
以下、【ひじおりNEWS】http://hijiori.jp/news/より情報を転載します。
「肘折湯治文化研究所」設立シンポジウム開催!
このたび湯治文化の調査・ 研究や資料収集、「新しい湯治スタイル」=「肘折版現代湯治」の確立を目指し、「肘折湯治文化研究所」を設立する運びとなりました。その設立記念シンポジウムを、県が18年度より取り組んでいる「やまがた観光まちづくり塾」と共に開催します。ぜひご参加ください。内容、日程は以下のとおりです。とき 2月28日(土)14:00~17:30
ところ 山形県肘折温泉・肘折いでゆ館「ゆきんこホール」内容・日程
基調講演1「観光への教育の必要性とあり方 ~観光人材の育成を考える~」
講師 国土交通省観光庁 観光資源課長 水嶋 智 氏
基調講演2「文化としての湯治とその活用 ~観光素材の湯治を考える~」
講師 東北芸術工科大学 大学院長 赤坂 憲雄 氏
パネルディスカッション「観光文化を地域と国の活力につなげる」
パネリスト
・赤坂憲雄氏(東北芸術工科大学 大学院長)
・水嶋智氏(国土交通省観光庁 観光資源課長)
・八岩まどか氏(温泉研究家)
・水野恭一氏(風の旅行社 営業部長)
コーディネーター:川口直木氏(やまがた観光まちづくり塾 塾長)
来賓:国土交通省 東北運輸局次長 村上玉樹 氏
■参加希望者は2月25日まで肘折いでゆ館(0233-34-6106)へご連絡ください。
以下に研究所の開設を伝える山形新聞の記事も引用します。
監督と同姓の渡辺記者が実際に肘折に滞在し、湯治を体感しながら書かれた記事です。どうぞ紙面をご参照ください。
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