山形発!長編ドキュメンタリー映画『湯の里ひじおり-学校のある最後の1年』は、山形県大蔵村肘折温泉の1年を記録しました。故郷、地域に暮らすことの愛おしさが伝わってきます。心が癒され、元気がでてくる映画です!!
温泉研究家の八岩まどかさんよりこの映画へのコメントをいただきました。
「へえ、肘折温泉に学校があったんだ…」
「へえ、肘折温泉に学校があったんだ…」
八岩まどか
温泉地=観光地=遊びに行くところ。
都市の雑踏に生きる人間の浅薄な頭ではそんなイメージしか出てこない。学校があり、子どもたちが通い、人々の暮らしがある。その暮らしは観光で訪れる人間には見えてこない。
肘折温泉はいまも長期滞在客が多い湯治場である。毎年訪れる人ばかりだから、客同士も宿の主人家族とも顔見知りだ。
湯治場の人々の暮らしと、湯治客の暮らしが折り重なって、観光地にはない、肘折温泉独特の匂いが醸し出されてくる。この匂いが湯治客の心をなぐさめ、肘折で育った若者たちに「いつかは帰ってきたい」と思わせるのだろう。
湯治場の人々の暮らしと、湯治客の暮らしが折り重なって、観光地にはない、肘折温泉独特の匂いが醸し出されてくる。この匂いが湯治客の心をなぐさめ、肘折で育った若者たちに「いつかは帰ってきたい」と思わせるのだろう。
肘折小中学校は閉校になった。時代の流れのなかで温泉地も変わっていくが、何百年も続いてきた人々の暮らしと、湯を守る知恵は、しっかりと受け継がれている。
「あぁ、肘折で1週間ぐらい湯治したいな」
そんな思いにさせる映画である。
やついわまどか
温泉研究家。日本温泉地域学会理事。
著書に『温泉と日本人』『温泉と共同湯』(ともに青弓社)『混浴宣言』(小学館)など。旅行雑誌「旅の手帖」で「いつか行きたい共同湯」連載中。
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芸術と食欲と温泉の秋。つくば上映は2010年11月21日(日)筑波学院大学にて!
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